たんぱく質と糖が結びつくとどうなるのか、この意味は、肌のハリを保っているコラーゲン繊維の構造を破壊する生体反応だということです。
血液中に糖が沢山あると、ブドウ糖分子がたんぱく質と結合してコラーゲンを硬くさせてしまいます。さらに過剰な糖はコラーゲンを壊して肌を老化させてしまいます。肌を構成する組織のうちの70%はコラーゲン=たんぱく質、つまり加齢により目に見えて現れてくる、くすみ・たるみ・黄ばみ・ハリのなさ・・・など、実は細胞のキャラメル化が原因のことが多いというわけです。「糖化により生じる老廃物が皮膚の細胞に溜まり、くすみや黒ずみの原因となって肌の透明感は失われます。AGE自体が褐色なので、肌も黄色っぽく、くすんでしまうわけなのです。肌の内部では、真皮のコラーゲンたんぱくやケラスチンファイバーなどのたんぱく質が破壊され、糖化してしまってAGEが溜まる、つまり"コゲた"状態になると、たんぱく質同士が固まって弾力がなくなり、ハリも失われてしまうというわけです。しかもAGEは一度作られると加齢と共に分解されにくくなります。
糖化は組織の老化を加速し、加齢とともにAGEが溜まり、結果的に病気にもつながる。血液中のブドウ糖値が高い状態が続くと起こってしまいます。ブドウ糖分子がたんぱく質と反応して結合すると、コラーゲンが固まって組織自体が硬くなり細胞間の連絡が悪くなる。糖化してしまったたんぱく質が関節や筋肉の結合部に(もちろん皮膚にも)溜まってしまい、身体はコチコチに硬くなるわけです!健康的なコラーゲンには弾力がありますが弾力は糖化によって失われてしまうのです。
AGEは、2通りのしくみで体内に溜まっていきます
一つ目は、体内でつくられるAGE
血中のブドウ糖が過剰になってあふれ出すと、人間の体の細胞や組織を作っているタンパク質に糖が結びつき、体温で熱せられ「糖化」が起きます。こうして「タンパク質と糖が加熱されてできた物質=AGE」ができるのです。
体内のタンパク質が糖化しても、初期の段階で糖の濃度が下がれば元の正常なタンパク質に戻ることができます。しかし高濃度の糖がある程度の期間さらされると、毒性の強い物質に変わってしまい元には戻りません。
二つ目は外部からの摂取によるAGE
身近な加工食品の中にも多種のAGEが少なからぬ量存在しています。パン、ビスケット、味噌、醤油、日本酒、ビール、ココア、ワインなどの食品の茶褐色画分の多くが、AGE に起因するものです。 AGEの産生量は、加工時の温度、pH、溶解酸素濃度などによって規定されます。これら、加工食品中のAGEの多くが消化管内で消化および分解され、身体の中へ吸収されます。摂取したAGEのうち6~7%が生体内に留まると試算されています。腎臓病患者では、AGEの排泄が進まないために、生体内に留まる割合が高くなることが報告されています。このことから、食物性(つまり外来性)AGEが、身体の中で、生体作用物質AGEとして機能する可能性があることが示唆されています。糖尿病では終末糖化産物(AGE)が生体作用物質として挙動し、一部のAGEでは毒性を示すことも知られています。
AGEが血管に蓄積すると心筋梗塞や脳梗塞、骨に蓄積すると骨粗しょう症、目に蓄積すると白内障の一因となり、AGEは美容のみならず、全身の健康に影響を及ぼしていると言えます。体のあちらこちらで深刻な疾病を引き起こすリスクとなるAGEを体内に溜めない生活・減らす生活を送ることが大切です。
身体は食べ物で作られるので、カロリーより栄養を考えて、バランスの良い食事を心がけるのも大切な事ですが、理想と現実はなかなかギャップもあります。しかも、残念ながら皮膚への栄養は最後の最後。まずは生命維持を優先させ、栄養は内臓から使われ始めます。ですからバランスのよい食事も大切ですが、肌には外からのケア、つまりスキンケアが必要というわけです。
AGE(AGEs、エイジス、エイジズ)の解説
AGE(advanced glycation endproducts AGE、またはAGEs)終末糖化産物、後期糖化生成物などと訳される。タンパク質の糖化反応(メイラード反応)によってつくられる生成物のこと。最近の研究から、人類の身体のさまざまな老化に共通の物質(より正確に言えば、生体化学反応による生成物)が関わっていることがわかってきた。それがAGEである。現在判明しているだけでも、AGEには数十種類もの化合物があり、それぞれが多種多様な化学的性質を有する。タンパク質の糖化により、このAGEが生じる過程で、「アマドリ化合物」(アマドリ転位生成物、前期生成物)を経由する糖の過剰摂取、運動不足、喫煙などで生成が進む。体内AGEは糖尿病性合併症、動脈硬化、骨粗しょう症、後縦靭帯骨化症、筋委縮、関節リウマチ、加齢黄斑変性、非アルコール性脂肪肝炎、インスリン抵抗性、歯周病、アルツハイマー病、神経変性疾患、皮膚疾患、皮膚老化などのさまざまな疾患の発症に関与する。体内AGEを溜めないためには、糖質制限、運動、禁煙のほかにも、ファーストフード禁止などが求められる。
糖化反応と最終糖化産物(AGE)
糖分は長期にわたって存在すると、糖のまわりに存在するタンパク質に糖分がくっつき、離れにくくなることが知られており、これを糖化反応と呼びます。
代表的なたんぱく質の糖化したものは、ヘモグロビンA1c(HbA1c)です。これは、血糖コントロール指標のゴールドスタンダードであり、広く糖尿病臨床の場で、使用しています。タンパク質だけでなくいろいろなものが糖化されてさらに酸化や分解もおこり、最終糖化産物(AGE)というものができることが解明されています。
組織内のAGEの病態の研究等
このAGEが血管内や組織に蓄積し、糖尿病性合併症を発症させたり、進展させたりすることが最近明らかにされてきました。健康で潤いのある肌(角層)の形成に関与するタイトジャクション(TJ)とCaイオンの働き
タイトジャクション(TJ)とCaイオンの関係
表皮の顆粒層の細胞同士を密着させているタイトジャンクション(TJ)が、角層の形成に 必要なカルシウムイオン(以下 Ca イオン)流出をブロックし、表皮の顆粒層の Ca イオン分布の均衡を保つ働きをしていることが発見されました表皮TJは顆粒層と呼ばれる細胞に見られますが、Ca イオンも同じく顆粒層に多く存在していることが確認されて います。しかし、なぜ Ca イオンが顆粒層に多く存在しているかはわかっていませんでした。今回、TJが顆粒層の Ca イオン流出をブロックし、Ca イオン分布の均衡を保っていることを発見したことで、Ca イオンが顆粒層に多く存 在している謎が解明できました。さらに、TJが正常に機能すれば、Caイオン流出がブロックされ、健康でうるお いのある肌(角層)を形成する可能性が高いこともわかりました。
T J の働きについて
TJ(密着結合)は、隣り合う細胞同士をぴったり密着させている構造で、水や物質が細胞間隙を透過するのを防ぐ働きをします。 腸管、肝臓、尿細管、血管などの内壁ではTJが発達しています。ヒトの表皮細胞を用い、細胞の間を Ca イオンがどれだけすり抜けるかを調べる実験を行うと、細胞がTJを形成していない時は、 形成している時と比べて Ca イオンが約 6 倍も多く透過していました(2007 年米国研究皮膚科学会で報告)。次に正常にTJを形 成した細胞に薬剤を加えてTJの機能を低下させると Ca イオンの透過が増し、薬剤を除いてTJの機能を正常に戻すと Ca イオン の透過も正常レベルに戻ることがわかりました。同様の現象は、Ca イオンをはじめとする物質の移動を追跡できる方法を用いてヒ トの培養皮膚モデルでも確かめられました。このことから、TJが正常に機能することで、Ca イオン流出がブロックされることが 確かめられました。
Ca イオンの働きについて
Caイオンは、表皮・顆粒層に多く分布し、表皮細胞が分化・成熟して、健康でうるおいのある肌(角層)を形成するために必要 な成分であるといわれています。細胞が角層細胞に変化するためのスイッチのような役割を果たします。Ca イオンが少ないと、細 胞の分化が不完全で、健康でうるおいのある肌(角層)が形成されないと考えられています。
AGEと高い結合性を有するラクトフェリン、
親水溶性のリン酸化オリゴ糖カルシウムとカップリングしたラクトフェリンが最適
ラクトフェリンがAGEと高い結合性を有することは早くから知られていましたが、その詳細な研究成果が発表されるようになったのは1990年代からです。ラクトフェリンは、AGEに結合する2つのドメインを有し、それらは17個から18個のアミノ酸のループであることが分かっています。このループの端にはそれぞれシステインが付いていることから、システインループと呼ばれることもあります。このループは、著しい親水性を呈することが分かっており、他のAGEに比較的結合しやすいペプチドであるライソザイムやディフェンシンなどの結合部位も同様に高い親水性を示すことから、AGEとタンパク質あるいはペプチドとの結合には親水性環境が有利であることが示唆されています。
ラクトフェリンとAGEの結合には、この親水性環境を有利にする100ccの水に70ccも溶解するリン酸化オリゴ糖カルシウム とカップリングしたラクトフェリンが最適です。ジャパンモード社の特許による組成物の組み合わせがこれに当たります。
ラクトフェリンとAGEが結合するとAGE物質はラクトフェリンの中に取り込まれてることによって、終末糖化物質の悪さが抗糖化作用により無くなるものです。
【従来の技術】
ラクトフェリンは、ヒトや牛などの乳や涙液に含まれているタンパク質であり、抗菌作用やリンパ球の増殖作用などの薬理作用を有することが知られている。また、優れた角膜実質細胞増殖促進作用を有し角膜障害治療剤として有用であること。創接着強度の強化作用を有し術後乱視予防剤として有用であること。およびムチンを含んだタンパク質の産生に対し優れた促進作用を有しムチン産生促進剤として有用であることがそれぞれ報告されている。
また、ラクトフェリンの様なタンパク性生理活性物質は、製造技術等の進歩により量産が可能となり、医薬として利用することが盛んに研究されるようになった物質である。
また、肌細胞で作った膜を引っ掻いて傷口を作った後にラクトフェリンを作用させると、傷口を塞ぐように肌細胞が活性化されることが発見され、2007年に「国際ラクトフェリン学会」で発表された。
「皮膚線維芽細胞」は、肌のハリや弾力のもととなるコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を作り出す源となる細胞であり、 線維芽細胞が活発に働いている間はコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の新陳代謝がスムーズに行われ、ハリと弾力のある瑞々しい肌を保つ
しかし、老化や紫外線などのダメージにより、線維芽細胞が衰えて働かなくなると、新陳代謝は鈍り、コラーゲンやエラスチンが変性することで弾力を失い、ヒアルロン酸が失われることで水分が減少してその結果、真皮組織は緩んだ状態となり、皮膚にシワやタルミが表れる。つまり、ドライスキン症は、真皮の中で活発に働きまわる線維芽細胞の減少が要因といえる。ドライスキン症の肌ににラクトフェリン溶液を塗布すると、上記のコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の産生に有効であることが証明されている。 ラクトフェリンで肌のハリ・弾力が改善し、しわが改善されることは、ラクトフェリンが細胞にあるラクトフェリンレセプター(受容体)と結合し、肌ダメージを修復するシグナルを伝達していることを示している。
【本特許が解決しようとしている課題】
しかしながら、一般的にタンパク性生理活性物質は、通常の低分子合成化合物と比較すると不安定であり、水中の溶解性も悪く水性製剤への応用が非常に困難な物質である。
特に、安定性いおいては科学的要因による分解、脱アミド化、二量体化、酸化等や物理的要因による相移転、非共有結合的凝縮、吸着等の問題点があり、水性製剤における安定性を保持することは難しいとされている。
ラクトフェリンの場合においても、これを水溶液として長期保存したとき、分解や凝集等によりラクトフェリンの含有量が著しく低下するという問題点がある。このように化粧水、医薬品として有用なラクトフェリンを水溶液中で安定化させ、長期間保存可能な水性製剤を開発することは非常に意義のあることである。
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、長期間保存可能なラクトフェリンの水性製剤を開発するため、種々の添加剤の配合について検討した結果、添加剤として多価の無機酸もしくは有機酸又はそれらの塩を配合することで水溶液中でのラクトフェリンの安定性が向上することを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、多価の無機酸もしくは有機酸またはそれらの塩を含有することを特徴とする、安定性を向上させたラクトフェリンの水性製剤に関するものであり、具体的に言えば、リン酸化オリゴ糖カルシウムが最も適した素材であることを発見したものである。
本発明は又ラクトフェリンの水溶液にリン酸化オリゴ糖カルシウムを添加することによるラクトフェリンの安定化方法に関するものである。
特にグリコ社製リン酸化オリゴ糖カルシウムは、種々のinbitro試験において、リン酸化オリゴ糖カルシウム添加による人表皮ケラチノサイトの文化促進やタイトジャクソンの「形成促進、並びに角質状態、バリア機能、皮膚水分に関与する遺伝子の発現上昇が確認されている。更に角層関連遺伝子の発現促進も確認されている。正常ヒト表皮ケラチノサイトをリン酸化オリゴ糖カルシウム添加培地で24時間培養し、種々の遺伝子に関する発現解析を行ったところ、リン酸化オリゴ糖カルシウムの添加により角層状態、バリア機能、表皮水分に関与する遺伝子の発現上昇が確認された。
りん酸オリゴ糖カルシウムは、タイトジャクション形成促進によるバリア機能向上だけでなく、角層状態や保湿機能の向上にも関与しうることが示唆される。肌荒れ気味の女性(22~52歳、21名)が顔面部へ2%リン酸化オリゴ糖カルシウム水溶液を1日2回、2ヶ月間塗布した結果、塗布開始時との比較で経上皮水分蒸発量(TEWL)が有意に低下するとともに角層水分量が有意に増加した。肌レプリカの画像解析ではキメの改善が認められた。更にテープストッピングによる角層細胞解析では重層剥離率の有意な低下が認めらるとともに、角層細胞面積の20歳代での増加、40~50歳代での有意な減少を認めた。リン酸化オリゴ糖カルシウムの皮膚適用により、保湿効果、バリア機能改善効果、ターンオーバー正常化効果等期待される。
このように、リン酸化オリゴ糖カルシウムは、単体でもドライスキン症への効果が期待できるが、ラクトフェリンを安定化活性化させる物質としてもその効果が抜きん出ており、かつ、上記の肌のラクトフェリン作用との結合により、より高い相乗効果が生み出せるものと言えます。
弊社はこの発見からラクトフェリンとリン酸化オリゴ糖カルシウムの結合体を活用した、新たなニーズに応えられる質の高い化粧品の開発を後押しすべく、本事業を推進してまいります。
株式会社ジャパンモード
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